日本消化器内視鏡学会雑誌
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印環細胞癌の組織型を呈したIIc+I型早期胃癌の1例
冨松 久信井手 一敏古賀 俊彦岩下 明徳
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1991 年 33 巻 3 号 p. 562-566_1

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抄録
 症例は54歳,男性.人間ドッグ胃X線検査で胃ポリープ指摘され受診.胃X線,内視鏡検査にて胃角部後壁に山田II型の隆起性病変を伴う,表層拡大型印環細胞早期胃癌と診断した. 病理学的診断はIIc+I型,印環細胞癌,深達度sm,ly0,v0で,癌の浸潤範囲は体下部後壁小彎を中心に約65×110mmの表層拡大型胃癌であった. 隆起性病変部の大きさは約12×12mmで深達度はm,粘膜筋板は保たれ潰瘍形成は認めなかった.隆起部中層,深層,基部は低分化型腺癌が充実髄様状の増殖を示し,隆起部表層は印環細胞癌が結合性を失わず腺房状,充実性の組織形態を示し発育したために隆起型を呈したものと推測した.本例は印環細胞癌が隆起型の発育を示しさらに表層拡大型の広がりを呈した早期胃癌であり,極めて稀な症例と考え報告した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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