抄録
大腸のリンパ管腫は比較的稀な疾患であり,われわれの2症例を含めて,本邦報告例は128例で,そのうち内視鏡的ポリペクトミーで摘出したのは40例であった. 最近われわれは,上行結腸リンパ管腫の2例を経験したので報告する.症例1は77歳男性,排便時不快感を主訴として来院,症例2は59歳男性,下腹部痛を主訴として来院した.注腸X線検査では,上行結腸に境界鮮明,平滑,X線透過性の高い,体位変換にて容易に変形する陰影欠損を認めた.大腸内視鏡検査では,症例1は周囲粘膜と同じ色調を呈し,また症例2では,灰白色調を呈する腫瘤を認め,いずれも柔らかく波動性を有し,生検鉗子による圧迫にてCushion signを認めた.内視鏡的ポリペクトミーで摘出し,それぞれ大きさは1.5×1.0cm,2.0×1.5×2.0cmで,病理学的には嚢胞性リンパ管腫と診断した.