日本消化器内視鏡学会雑誌
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大腸Xanthomatosisの臨床的検討
安武 晃一増田 章吾吉村 幸男時末 充西崎 朗前田 哲男増田 忠之大家 学
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1991 年 33 巻 8 号 p. 1680-1685_1

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抄録
 大腸内視鏡下生検にて大腸キサントームと診断された40例63病変について臨床的,内視鏡的に検討した.なお,全結腸内視鏡検査にて正常粘膜であった13例を対照群とした. 大腸キサントームの頻度は2.6%で,平均年齢は56歳,男女比は約3:1であった.検査時の主訴では,精査希望が最も多く,次いで血便,便潜血陽性であった.発生部位では,直腸,S状結腸に96.8%みられた.内視鏡形態は山田の1型および2型が多くみられた.また表面の性状は平滑が最も多く,色調は白色調が多かった. 大腸キサントームにおける合併大腸疾患は腺腫が最も多かった.また,胃キサントームの合併率は13.9%であった. 血清脂質(血清中のトータル・コレステロール値,中性脂肪値,遊離脂肪酸値,HDLコレステロール値),血清アポ蛋白分画,血清リボ蛋白分画は対照群と比較して有意差を認めなかった.しかし,ズダン染色による糞便中脂肪球の有無について検討した結果p<0.05の危険率で有意差が得られた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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