日本消化器内視鏡学会雑誌
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超音波内視鏡像のテクスチャー解析を用いた定量診断(第3報)
―判別分析を用いた自動診断の試み―
橋本 洋斉藤 恵一中尾 京子千葉 素子加藤 明春木 宏介光永 篤村田 洋子鈴木 茂黒川 きみえ内山 明彦小幡 裕竹本 忠良
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1991 年 33 巻 9 号 p. 2011-2018

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抄録
 すでに超音波内視鏡(以下EUS)像のテクスチャー解析により症例間及び疾患群間の数量的鑑別診断については報告した.今回はEUS像をテクスチャー解析した統計量の判別分析を行い各疾患の的中率を算出することでEUS像の数量的自動診断の可能性について検討した.検討したのは(1)胃粘膜下腫瘍の鑑別診断,(2)胃癌の線維化併存の診断及び間質量の診断の2点である.前者は平滑筋腫(LM)6例,迷入膵(AP)3例,胃悪性リンパ腫(ML)2例を対象とし,後者は胃癌9例で線維化併存例(fib)4例,髄様癌(med)2例,中間型(int)3例を対象とした.テクスチャー解析は濃度差統計法を行い,それらの統計量の判別分析を行った.その結果(1)粘膜下腫瘍3群間での的中率は61.5%であり,(2)胃癌組織構造の3群間の的中率は69.0%,であった.今回の検討は客観的評価の難しい腫瘍組織エコー像そのものを数量的に表すことで客観的に鑑別した.現在のところ的中率は60%~70%であるが,特殊な条件設定はせず通常の超音波内視鏡の施行法で得た結果であり,しかも腫瘍エコー像のみの解析から得た的中率であることの意義は大きいと思われた.さらに判別する統計量の選択,画像入力時の条件設定,画像処理法の改良により的中率が向上する可能性があり超音波内視鏡像による自動診断も可能と思われる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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