日本消化器内視鏡学会雑誌
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カラードプラ超音波内視鏡からみた内視鏡的食道静脈瘤硬化療法の評価
岩瀬 弘明森瀬 公友堀内 洋黒岩 厚夫永井 弘文京兼 和宏須賀 昭二
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1992 年 34 巻 10 号 p. 2300-2307

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抄録

 EIS症例26例に対しCDEUSを施行し,EISの評価を行った.EIS前のカラーフローマッピングでは静脈瘤は粘膜下層にみられ,血流は遠肝性で乱流を呈していた.EIS直後,1,2,4週後の評価では,EIS直後は静脈瘤内は比較的高エコー像に変化し,血流の検出はできなかった.EIS1週後の静脈瘤内は高エコー像を呈していたが,2週後は静脈瘤は縮小し,食道壁は浮腫状であった.4週後では,内視鏡検査にて静脈瘤が完全消失していた症例は,カラーフローマッピングでは食道壁は正常の5層構造がみられ,血流は検出できなかった.したがってEISの効果判定はEIS4週後が適していると考えられた.26例中,EIS終了時,不完全消失例は10例であったが,側副血行路を伴う6例(60%)に13カ月以内に再発がみられた.完全消失例は16例で,12例は側副血行路も消失し,現在までに再発がみられたのは1例(8.3%)のみであった.CDEUSはEISの治療評価に有用であると考えられた.

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