日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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経皮内視鏡的胃瘻造設
―Push法とIntroducer法との比較検討―
宮内 邦浩嶋尾 仁森瀬 昌樹桜本 信一門脇 憲加藤 康行三重 野寛喜榊原 譲比企 能樹
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1992 年 34 巻 10 号 p. 2309-2314_1

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抄録

 経皮内視鏡的胃瘻造設(percutaneous endoscopic gastrostomy; PEG)のPush法45症例とIntroducer法26症例との2種類について次の点に関し比較検討した.(1)造設操作,(2)造設方法別による適応,(3)造設後の局所管理,(4)カテーテル管理,(5)造設に伴った合併症,(6)胃瘻長期使用中のカテーテルトラブル.その結果,Push法は造設操作,カテーテル交換操作が比較的繁雑である欠点を有するが,細い穿刺針で太いカテーテルを留置できる利点を有す.これに対し,Introducer法は造設操作,カテーテル交換が簡便であるが穿刺針が太くそれだけ合併症を起こす危険性がないこともない.以上われわれの経験から各々の方法には長短があるが,残胃など穿刺時に合併症を起こし易い症例にはPush法を用い,食道癌など通過障害のある症例にはIntroducer法を用いることで使い分けることが望ましいと考える.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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