日本消化器内視鏡学会雑誌
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結節性多発動脈炎に併発した急速進行性糸球体腎炎の上部消化管出血例の検討
大原 正志宍戸 洋浅木 茂
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1992 年 34 巻 10 号 p. 2317-2321_1

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抄録

 慢性腎不全加療中に,腎生検などの精査により結節性多発動脈炎(PN)と診断された症例のうち急速進行性糸球体腎炎(RPGN)を併発し,上部消化管出血をきたした症例について,出血病変及び部位,出血と腎不全との関係について検討した.症例は男性2例,女性4例の6例で,平均年齢は男性64歳,女性64.5歳であった.出血病変は,食道潰瘍1例,十二指腸潰瘍1例,Dieulafoy型潰瘍4例であった.Dieulafoy型潰瘍はすべて胃体部に認められた.消化管出血と腎不全の程度との問に一定の相関関係は認めなかった.さらに,血液透析(HD)の有無,及びHD期間にも一定の傾向を認めなかった.PNを合併したRPGNの上部消化管出血例としてはDieulafoy型潰瘍が目立った.この結果は,systemic vasculitisであるPNの特徴を示唆する興味ある結果と考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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