日本消化器内視鏡学会雑誌
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家族性大腸腺腫症の術式決定におけるvideomacroscopeの応用
川上 和彦
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1992 年 34 巻 2 号 p. 307-315

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抄録
 家族性大腸腺腫症familial adenomatous polyposis(以下FAPと略す)は放置すれば100%癌化する遺伝性疾患である.予防的手術々式は様々であるが,切除範囲ではanal transitional mucosa(以下ATMと略す)を残すか否かが問題となる.つまりATMを切除すれば発癌の危険は減るが肛門の機能は低下する.この選択は特に若年者検査発見群で難しい.われわれは切除標本で直腸粘膜の微小腺腫を実体顕微鏡を用いて観察し,さらに直腸の背景粘膜の微小腺腫を,拡大内視鏡とわれわれが開発したvideomacroscopeを用いて観察した.腺腫密度により密生型と非密生型があり,後者ではATM部での腺腫が少なく,発癌の危険因子は両者で差があると考えられる.術式は発癌の可能性の高い粘膜を可及的に切除することと術後のquality of life(以下QOLと略す)の両面から考えられるべきであり,videomacroscopeはこの選択に有用であると考える.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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