日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
経皮経肝胆嚢鏡下砕石術(PTCCSL)の評価
関 秀一木村 健
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 34 巻 2 号 p. 352-362_1

詳細
抄録

 われわれは非開腹的胆石治療の一端を担うPTCCSLを,手技の工夫,器具の考按により,安全,確実,容易な治療法に確立した.現在まで37例の胆嚢結石例にPTCCSLを施行し,重篤な合併症もなく,全例完全に採石し得た.胆嚢穿刺より結石除去完了までの必要日数は平均11.8日であり,PTCCSL施行回数は平均2.1回であった.結石除去後の経過観察期間は1~60カ月で,平均24.7カ月である.胆嚢機能は全例治療前の状態に復し,良好に推移している.しかし,再発は7例18.9%に認められている.癌,ポリープ等の出現は認められていない.開腹下胆嚢摘出術,及び腹腔鏡的胆嚢摘出術との比較では,PTCCSLはもっとも低侵襲的治療法である.しかし,繰り返し施行可能であるとはいえ,比較的短期間に再発が認められ,確実な再発防止対策がない現状では,PTCCSLは全身麻酔が不能なhigh-risk例が極めてよい適応である.

著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top