日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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画像診断上,肝の腫瘤性病変と鑑別が困難であった多発性限局性脂肪浸潤の1例
巽 智秀笠原 彰紀片山 和宏尾下 正秀西村 善也小林 一三平松 直樹萩原 秀紀結城 暢一竹原 徹郎林 紀夫房本 英之鎌田 武信
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1993 年 35 巻 10 号 p. 2487-2492_1

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抄録
 症例は61歳,男性.腹部CT検査にて肝内に多発性低吸収域を認め,その精査のため入院.入院時+30%の肥満,トランスアミナーゼの軽度上昇,第2世代HCV抗体陽性を認めた.腹腔鏡検査では肝表面に大小不同の黄白色調の結節が多発し,組織像では高度の脂肪浸潤を認める偽小葉と,認めない偽小葉が混在する肝硬変の像を示した.食事療法による減量にて多発性低吸収域は消失した.本邦における同様の報告例は自験例を含め16例と少なく,興味ある稀な症例と考え報告した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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