抄録
直腸粘膜の電子内視鏡画像信号をサンプリングし,それを画像解析装置SP-1000により8bitにA/D変換した.その画像を処理し,直腸粘膜のヘモグロビン濃度指数(Hb-index:HI)を測定した.その測定に際しては,関心領域内のG信号(Vg)とR信号(Vr)の比を対数値で示し,血流動態の指標とした[HI=32・loge・(Vg/Vr)].同じ検査時に直腸粘膜から採取した生検切片について病理組織学的所見を検討し,それとHIとを比較検討した.対象としたのは下部消化管内視鏡検査をした149例である. 病理組織学的に粘膜の(1)炎症性細胞浸潤,(1)粘膜内出血,(3)びらん,(4)血管数,(5)血管径の5項目について観察し,その強弱,有無等について検討した.炎症性細胞浸潤の著明な群では高いHI値を示した.粘膜内出血とびらんでは(+)群の方が(-)群より有意に高いHI値を示し,血管数,血管径ともにそれの多い群が少ない群よりも高いHI値を示した.また,直腸粘膜のHI値は慢性の便秘群において低く,下痢群に高いという知見も得た.