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齊藤 裕輔
1994 年36 巻2 号 p.
263-273
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
1990年8月から1992年12月の間に潰瘍性大腸炎55例について拡大電子スコープを用いて拡大観察を行い潰瘍性大腸炎の微細所見について検討し,同時に生検組織について病理組織学的およびHID-AB法を用いて粘液組織化学的に検討した.その結果,潰瘍性大腸炎における活動病変の最小単位は小黄色斑と考えられた.また活動部の口側粘膜に毛細血管やリンパ濾胞の増生などの微細な異常所見を72.7%に認めた.さらに活動部口側に正常粘膜を介して島状に活動部の存在する,いわゆるskipped lesionを55例中23例41.8%に認めた.この内視鏡的に認められるskipped lesionは病理組織学的さらには粘液組織化学的検討からも潰瘍性大腸炎の活動病変であると考えられた.潰瘍性大腸炎において拡大内視鏡観察は微細診断,早期診断に有用であった.また直腸から病変が連続すると考えられていた潰瘍性大腸炎に非連続性のskipped lesionの存在が示唆された.
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-病理組織学的所見との対比-
角田 誠之, 伊藤 正秀, 大島 博
1994 年36 巻2 号 p.
274-285
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
直腸粘膜の電子内視鏡画像信号をサンプリングし,それを画像解析装置SP-1000により8bitにA/D変換した.その画像を処理し,直腸粘膜のヘモグロビン濃度指数(Hb-index:HI)を測定した.その測定に際しては,関心領域内のG信号(Vg)とR信号(Vr)の比を対数値で示し,血流動態の指標とした[HI=32・log
e・(Vg/Vr)].同じ検査時に直腸粘膜から採取した生検切片について病理組織学的所見を検討し,それとHIとを比較検討した.対象としたのは下部消化管内視鏡検査をした149例である. 病理組織学的に粘膜の(1)炎症性細胞浸潤,(1)粘膜内出血,(3)びらん,(4)血管数,(5)血管径の5項目について観察し,その強弱,有無等について検討した.炎症性細胞浸潤の著明な群では高いHI値を示した.粘膜内出血とびらんでは(+)群の方が(-)群より有意に高いHI値を示し,血管数,血管径ともにそれの多い群が少ない群よりも高いHI値を示した.また,直腸粘膜のHI値は慢性の便秘群において低く,下痢群に高いという知見も得た.
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大矢 秀明, 内田 善仁, 西岡 幹夫
1994 年36 巻2 号 p.
286-295
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
自己免疫性肝疾患24例(A群:原発性胆汁性肝硬変16例,自己免疫性肝炎8例)に伴う萎縮性胃炎について,その他の慢性肝疾患28例(B群),健常群33例(C群)を対照として検討した.その結果,内視鏡的萎縮境界の分類による開放型萎縮境界の出現頻度はA群75.0%,B群53.8%,C群48.5%であり,A群では他の群に比し,開放型萎縮境界が有意に多く,腸上皮化生も広範囲に認められた.壁細胞抗体の陽性率はA群91.7%,B群28.6%,C群12.1%とA群において有意に高率であり,抗体価も有意に高力価であった.空腹時血清ガストリン値はA群160.4pg.%ml,B群77.6pg/ml,C群81.7pg/mlとA群に有意に高値を示した.以上から,自己免疫性肝疾患では胃粘膜萎縮の広範囲な進展が特徴的で,この進展には壁細胞抗体の関与が考えられた.体部胃炎の広がり,すなわち壁細胞の減少に伴って酸分泌が低下し,高ガストリン血症の誘導をもたらすことが示唆された.
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―超音波内視鏡との比較―
中村 常哉, 鈴木 隆史, 白井 正人, 柏木 昭人, 小林 世美, 村野 明彦, 佐々木 文雄
1994 年36 巻2 号 p.
296-307
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
MR内視鏡試作1号機を直腸癌21例に対して使用し,その進展度診断能をEUSと比較した.本機種では非磁性体の内視鏡を用いることにより表面コイルを病変部に正確に誘導することができ,全例で病変の描出が可能であった.MR内視鏡による正常直腸壁のMR画像は3あるいは5層に描出され,腫瘍と層構造の関係から深達度診断が可能であった.MR内視鏡の深達度診断の正診率はsm100% (2/2) ,pm50% (3/6) ,al-a283% (10/12) ,a3100% (1/1) ,全体で76% (16/21) ,EUSの正診率はsm100% (3/3) ,pm57% (4/7) ,al-a290% (9/10) ,a3100% (1/1) ,全体で81% (17/21) とほぼ同等であり,リンパ節転移診断はMR内視鏡,EUSともにsensitivity85.7%specificity61.5%accuracy70.0%であった.MR内視鏡は,断層面の選択性があり撮像範囲が広く画像の客観的な評価が可能であるものの検査設備が大がかりで検査手技も煩雑,実時間表示でないなどの問題点もあり今後の機器の改良が望まれる.
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齊藤 忠範, 池田 成之, 安保 智典, 小笠原 俊実, 増子 詠一, 本間 久登, 手林 明雄, 潘 紀良, 山中 剛之
1994 年36 巻2 号 p.
308-316_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
胃悪性リンパ腫9例(原発性8例,続発性1例)について超音波内視鏡を施行した.原発性胃悪性リンパ腫8例中6例は手術により,2例は生検により病理標本を得た.これら対象9例について,超音波内視鏡の有用性を検討したところ以下の結論を得た.(1)原発性胃悪性リンパ腫8例中,巨大皺襞型(1例),隆起型(1例),潰瘍型(2例)のエコー像は境界明瞭,内部均一で低エコーを呈し胃癌と鑑別可能であったが,表層拡大型4例中2例は胃癌,1例は胃潰瘍との鑑別は困難であった.(2)深達度は手術を行った6例中4例で正診可能であった.誤診した2例は腫瘍周囲に炎症細胞浸潤が著明であった例とモノクロナール抗体(L-26)による免疫染色により確認された固有筋層への微少浸潤例であった.(3)リンパ節転移が病理学的に確認された1例は手術前診断可能であった.(4)続発性胃悪1生リンパ腫の1例は超音波内視鏡のみで腫瘍浸潤が確認された.
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西園 正敏, 原口 靖昭, 江藤 胤尚, 戸次 史敏, 古賀 俊彦, 山下 裕一
1994 年36 巻2 号 p.
317-327
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
食道静脈瘤患者49例(F
1;25例,F
2;21例,F
3;3例)を細径プローブを用いた直接接触法による超音波内視鏡(以下EUS)で検討し,食道静脈瘤硬化療法(以下EIS)または内視鏡的食道静脈瘤結紮術(以下EVL)施行例では治療前後も比較検討した.直接接触法では対象全例で低エコーの血管像を認め,そのうち要治療の20例(F
2;17例,F
3;3例)はいずれも径3mm以上の血管像を認めた.20例中15例にEISを施行し,静脈瘤が径3mm未満になるまでに平均2.7回,完全消失までにはさらに平均2.0回のEISを要した.残る5例はEVLを1回施行し,うち3例は静脈瘤が径3mm未満に縮小した.血栓化静脈瘤の検討では,瘢痕化した9症例16病変ではEUS上もすべて血管像は消失していたが,静脈瘤の形態が残る13症例26病変では6症例10病変で血管像が残存していた.食道静脈瘤の治療判定は直接接触法によるEUSの併用でより正確になると思われた.
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―4症例について―
齊藤 忠範, 池田 成之, 小笠原 俊実, 増子 詠一, 本間 久登, 安保 智典, 潘 紀良
1994 年36 巻2 号 p.
328-334_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
胃迷入膵4例について超音波内視鏡(EUS)像と病理所見を比較し以下の結論を得た.(1)腫瘍の主座は粘膜下層1例,粘膜下層と固有筋層2例,粘膜層から固有筋層1例であったが,EUSによりその診断は可能であった.また迷入膵が固有筋層内に存在した3例のEUS像を検討したところ,2例で固有筋層の肥厚を認め固有筋層への迷入が著しかった1例では腫瘍と固有筋層は一塊として描出された.(2)腫瘍のEUS像は境界は全例不明瞭(一部明瞭1例)であり,内部エコーパターン,エコーレベルは多彩であった.その要因は迷入膵を構成する腺組織と導管の密度と比率が多様であるためと考えられた.すなわち腺房細胞が密に存在した症例ではエコーレベルは低下していた.また全例で導管は腫瘍内の散在性小低エコー部として描出され,導管の拡張が著明な2例ではのう胞様像を呈した.
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藤井 寿仁, 丸岡 正典, 竹内 幸俊, 河島 祥彦, 久家 雅治, 立岩 二朗, 関 寿人, 井上 恭一
1994 年36 巻2 号 p.
337-342_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
門脈圧亢進症37例の大腸粘膜の血管病変を検討した.大腸内視鏡所見として,vascular ectasia,dilated fine branching vessel,blue vein,rectal varicesが見られ,各所見の出現頻度はそれぞれ,62.6%,86.5%,51%,21.6%であった.各内視鏡所見と食道静脈瘤のL,F因子,Child-Pugh分類およびICG R
15との相関を検討した.F
2,F
3の症例でvascular ectasiaを高頻度に合併する傾向を認めた.生検組織所見としては,粘膜のうっ血所見51.4%,浮腫様所見32.4%,粘膜や粘膜下の血管拡張および硬化像を16.2%に認めた.食道静脈瘤硬化療法による大腸への影響をみるため,硬化療法前後で大腸内視鏡検査を行ったが,明かな変化は認めなかった.
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小土井 淳則, 田中 信治, 島本 丈裕, 赤木 盛久, 西田 寿郎, 山中 秀彦, 藤村 二郎, 吉原 正治, 田利 晶, 春間 賢, 隅 ...
1994 年36 巻2 号 p.
343-350
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は44歳,女性.胃角部後壁に潰瘍を伴う粘膜下腫瘍様病変を指摘され来院.生検ではgroup Iであったが,悪性病変が否定しきれないため外科的切除を施行.病変は印環細胞癌を主体とした深達度ssγの進行癌で,リンパ節転移を認め,隆起の主体は膠原線維であった.これまで粘膜下腫瘍様形態を呈する胃癌は自験例を含め54例報告されているが,膠原線維の増生が隆起の主体であったものは本例を含め4例のみで,極めて稀と思われた.
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玉井 修, 奥島 憲彦, 友利 健彦, 出口 宝, 栗原 公太郎, 草野 敏臣, 武藤 良弘, 外間 章
1994 年36 巻2 号 p.
351-355_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は64歳の女性で,5年前に乳癌根治術が行われ,平成2年7月,肝および骨転移に対して総量でADR90mg,5-FU 1500mg,CPA 900mg,MPA 14400mgが投与された.その後,悪心,嘔吐,前胸部痛および吐血を生じ,緊急内視鏡検査にて食道後壁にほぼ食道全長にわたる帯状の粘膜剥離と出血を認めた.IVH管理下に薬物療法等の保存的療法を行い臨床症状の改善を認め,約1カ月後に行った内視鏡検査では病変は再生上皮に覆われ治癒していた.
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深野 史靖, 小泉 博義, 青山 法夫, 小澤 幸弘, 南出 純二, 徳永 誠, 森脇 良太, 玉井 拙夫, 今田 敏夫
1994 年36 巻2 号 p.
356-360_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は50歳,男性.胃集団検診にて胃体上部にポリ-プを認め,生検にてgroup I であった.その後定期的に内視鏡検査にて経過観察されていた.2年後の内視鏡検査にて胃体上部にI+IIa病変,幽門部にIIcを認めた.また下部食道にも浅い陥凹と粘膜不整像を認められた.入院後精査にて,食道0-IIc+IIaと0-IIcの2病変,胃I+IIaとIIcの2病変の食道胃重複癌の診断にて手術を施行した.病理組織学的には,食道癌は深達度mm2,sm2の中分化扁平上皮癌,胃癌は深達度mの中分化腺癌,smの高分化腺癌であった.文献的には早期食道胃重複癌切除例は26例であり,食道も胃も多発であったものは2例のみであった.今後重複癌にも留意し,精査,治療法の選択,手術時の再建臓器の決定に注意が必要と思われた.
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杉浦 敏昭, 末岡 伸夫, 西垣 均, 大川 敬一, 廣田 薫, 岩切 勝彦, 三宅 一昌, 丸山 正明, 香川 隆男, 平川 恒久, 小林 ...
1994 年36 巻2 号 p.
363-369_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は22歳,女性.心窩部痛を契機として胃癌が発見され,血清alpha-fetoprotein(AFP)が66.1ng/mlと高値であった.胃全摘術を施行した.病変はBorrmann3型,乳頭腺癌の像を呈し,免疫組織学的染色法でAFPの局在が癌細胞内にみられ,AFP産生胃癌と診断した.術後AFP値は正常範囲となった.文献上検索しえた範囲では,AFP産生の若年者(30歳未満)乳頭腺癌としては本邦第1例目である.
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田中 聖人, 趙 栄済, 中島 正継, 安田 健治朗, 向井 秀一, 早雲 孝信, 水野 成人, 芦原 亨, 平野 誠一, 望月 直美, 宇 ...
1994 年36 巻2 号 p.
370-379_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
Treitz靱帯から約220cm肛側にあった小腸悪性リンパ腫を,内視鏡観察及び直視下生検によって術前に診断しえた1症例を報告した.患者は69歳女性で,腹部膨満感を主訴に当科を受診した.消化管X線造影検査にて中部小腸に狭窄を認め,腹部超音波検査およびX線CT検査にて腫瘤像を描出し,小腸の腫瘍を疑った.ひきつづき施行した小腸内視鏡検査および直視下生検にて,中部小腸悪性リンパ腫と確定診断し得た.腫瘍に対しては外科的切除術を施行するとともに,全身化学療法を施行した結果,術後3年の現在も再発を認めていない. 文献的には,本例は内視鏡にて術前診断した小腸悪性腫瘍としてはTreitz靱帯より最も遠位のものであった.
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星野 知久, 綿引 元, 多々見 光仁, 百々 修司, 山本 英明, 樋口 哲也, 相羽 英雄, 岡田 和夫, 長田 裕, 小川 博, 馬渕 ...
1994 年36 巻2 号 p.
380-385_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は54歳男性.検診にて便潜血反応陽性.大腸内視鏡検査をうけ,回盲弁付近に腫瘍を認め,精査入院となった.大腸内視鏡検査では回盲弁近傍に約4cm大の腫瘍を認めた.その際,腫瘍が回盲弁より後退し,回腸へ整復されたことから回腸の腫瘍であると診断し,回腸の楔状切除術を施行した.病理組織学的には管状腺腫であった.小腸腺腫につき若干の考察を加えて報告した.
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林部 章, 田中 肇, 鬼頭 秀樹, 阪本 一次, 樽谷 英二, 中上 健, 柳 善佑, 十倉 寛治, 浅田 健蔵, 竹林 淳
1994 年36 巻2 号 p.
386-390_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
われわれは・比較的まれ婿癌をイ半った大腸結核の1例を纖したので報告する.症例は68歳,女性,主訴は心窩部痛・上部消化管造影及び胃内視皺査で胃前庭部前壁にIIa+IIC型胃癌を指搬れ入院した.便結核菌培養陽性で・注腸および大腸内視嫐査でも,横行結腸において大鵬核に特異的な像を認めた.活動性大腸結核の合併を強く疑い手術を施行したところ,中結腸動脈根部に結核性炎症を伴うリンパ節を認め上記確定診断に至った.術後の化学療法により大腸結核はほぼ寛解した.
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堀井 良侑, 児玉 正, 道中 智恵美, 上平 博司, 小西 英幸, 古谷 慎一, 丸山 恭平, 佐藤 達之, 福田 新一郎, 加嶋 敬
1994 年36 巻2 号 p.
391-394_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
Von Recklinghausen病に随伴しない単発性の回腸末端部神経線維腫の1例を経験したので報告する.症例は34歳女性.鮮血便を見たため受診した.X線注腸透視及び内視鏡で,回盲弁より約8cm口側の回腸に,正常粘膜に被れた表面平滑でくびれを有する隆起性病変が見られた.回腸粘膜下腫瘍と診断し,回盲部切除術を行った.粘膜下腫瘍の大きさは10×9×8mmで,白色調の充実性腫瘍で,正常粘膜に覆われていた.病理組織学的には,紡錘形,一部に勾玉様の核を持った細胞が錯走して配列し,被膜を有することなく粘膜下層に増殖していた.細胞分裂像は認めなかった.免疫染色で,核S-100蛋白抗体に陽性,NSE抗体にも陽性で,神経線維腫と診断した.単発性の神経線維腫は稀な疾患であり,若干の文献的考察を加えて報告する.
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清水 伸一, 山口 彰則, 那須 正道, 松本 繁巳, 埴岡 啓介, 藤盛 孝博, 出射 由香, 千葉 勉, 千原 和夫
1994 年36 巻2 号 p.
397-403_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
SLEの血管炎にもとつく大腸潰瘍からの出血をクリップで止血した後,ステロイド大量療法で治癒しえた1例を報告した.症例は45歳の女性.SLEの再燃で入院加療中に大量の下血をきたし緊急大腸内視鏡検査を行ったところ下行結腸に出血性潰瘍を発見しクリップで縫縮止血した.その際に得た生検組織より組織学的に血管炎を証明したのでSLEに合併した大腸潰瘍と診断しステロイド剤を増量したところ大腸潰瘍は治癒した.
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加藤 充朗, 寺崎 修一, 卜部 健, 金子 周一, 鵜浦 雅志, 小林 健一, 大村 健二, 橋本 琢生, 宇野 雄祐
1994 年36 巻2 号 p.
404-411
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
49歳男性.胆道系酵素の異常,炎症反応強陽性,腹部エコー上胆嚢壁の不整,肥厚のため当科入院.2カ月前大腸癌の腹部手術が施行されていた.超音波内視鏡では入院時胆嚢は腫大し,壁不整がみられ,1カ月後には胆嚢壁は肥厚し,不整な3層構造に変化していた.胆嚢摘出術を施行したところ,胆嚢全体に波及した黄色肉芽腫性胆嚢炎(XGC)と診断した.XGCの発症経過を画像検査で追跡し得た典型例と考えられた.
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三重 野寛, 五石 宏和, 浅田 備之, 岡本 傳男, 坂之上 一史, 板倉 滋, 香川 幸司, 石田 尚志, 板垣 哲朗, 三原 修, 枡 ...
1994 年36 巻2 号 p.
412-416_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は53歳の男性.腹満感を訴えて外来受診.注腸X線検査でS状結腸に8cmの壁の不整と進展不良を認めた.大腸内視鏡検査では同部に浮腫状の粘膜による狭窄が認められた.内視鏡時の生検で大腸癌と診断した.切除標本では7×3cmの粗大顆粒状の腫瘤性病変が認められ,周囲に皺壁の集中を伴っていた.腫瘍は高分化腺癌からなりそのほとんどが非腫瘍組織におおわれていた.癌の粘膜下浸潤部では非腫瘍腺組織が認められた.
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野村 幸彦, 中澤 三郎, 山雄 健次, 芳野 純治, 乾 和郎, 山近 仁藤, 藤本 正夫, 渡辺 典子, 松本 純夫
1994 年36 巻2 号 p.
417-424_1
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
症例は61歳,女性.主訴は右季肋部痛と黄疸.閉塞性黄疸,胆石胆嚢炎の診断にて入院した.暫定的に内視鏡的経鼻的胆管ドレナージを挿入し,その後に内視鏡的乳頭切開術にて総胆管結石を除去した.胆道造影にて胆嚢管の閉塞が認められたため,超音波内視鏡を実施したところ,同部位に乳頭状腫瘤が描出された.経口的胆道鏡,経口的胆道生検およびブラッシング細胞診にて胆嚢管癌と確定診断し手術を行った.
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豊田 秀徳, 中野 哲, 武田 功, 熊田 卓, 杉山 恵一, 長田 敏正, 桐山 勢生, 須賀 敬
1994 年36 巻2 号 p.
425-435
発行日: 1994/02/20
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
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内視鏡的に止血の困難な出血性胃・十二指腸潰瘍に対して止血のために施行した経カテーテル的動脈塞栓術(以下TAE)において,塞栓物質としてヒストアクリルの使用を試み,その有用性につき検討した.いずれも内視鏡施行不能もしくは内視鏡的止血不能な出血性胃・十二指腸潰瘍4患者に対し5回の血管造影を行い,3回はコイルを併用して,2回はヒストアクリル単独で動脈を塞栓することにより止血を試みた.結果は,出血血管が同定されず,半日後に再出血した1例を除いて完全止血が達成された.シアノアクリレート系の瞬間接着剤であるヒストアクリルは,現在までに組織の接着や,静脈瘤の硬化療法における注入薬などとして利用されてきたが,同剤の血管内注入は,短時間での血管の長い距離にわたっての完全閉塞を可能とするため,塞栓部位によりその使用に多少の工夫を要するものの,今後かかる症例に対するTAEにおける塞栓物質として有用であると考えられた.
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