抄録
MR内視鏡試作1号機を直腸癌21例に対して使用し,その進展度診断能をEUSと比較した.本機種では非磁性体の内視鏡を用いることにより表面コイルを病変部に正確に誘導することができ,全例で病変の描出が可能であった.MR内視鏡による正常直腸壁のMR画像は3あるいは5層に描出され,腫瘍と層構造の関係から深達度診断が可能であった.MR内視鏡の深達度診断の正診率はsm100% (2/2) ,pm50% (3/6) ,al-a283% (10/12) ,a3100% (1/1) ,全体で76% (16/21) ,EUSの正診率はsm100% (3/3) ,pm57% (4/7) ,al-a290% (9/10) ,a3100% (1/1) ,全体で81% (17/21) とほぼ同等であり,リンパ節転移診断はMR内視鏡,EUSともにsensitivity85.7%specificity61.5%accuracy70.0%であった.MR内視鏡は,断層面の選択性があり撮像範囲が広く画像の客観的な評価が可能であるものの検査設備が大がかりで検査手技も煩雑,実時間表示でないなどの問題点もあり今後の機器の改良が望まれる.