日本消化器内視鏡学会雑誌
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細径プローブを用いた超音波内視鏡(直接接触法)による食道静脈瘤硬化療法の治療効果の検討
西園 正敏原口 靖昭江藤 胤尚戸次 史敏古賀 俊彦山下 裕一
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1994 年 36 巻 2 号 p. 317-327

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抄録

食道静脈瘤患者49例(F1;25例,F2;21例,F3;3例)を細径プローブを用いた直接接触法による超音波内視鏡(以下EUS)で検討し,食道静脈瘤硬化療法(以下EIS)または内視鏡的食道静脈瘤結紮術(以下EVL)施行例では治療前後も比較検討した.直接接触法では対象全例で低エコーの血管像を認め,そのうち要治療の20例(F2;17例,F3;3例)はいずれも径3mm以上の血管像を認めた.20例中15例にEISを施行し,静脈瘤が径3mm未満になるまでに平均2.7回,完全消失までにはさらに平均2.0回のEISを要した.残る5例はEVLを1回施行し,うち3例は静脈瘤が径3mm未満に縮小した.血栓化静脈瘤の検討では,瘢痕化した9症例16病変ではEUS上もすべて血管像は消失していたが,静脈瘤の形態が残る13症例26病変では6症例10病変で血管像が残存していた.食道静脈瘤の治療判定は直接接触法によるEUSの併用でより正確になると思われた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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