日本消化器内視鏡学会雑誌
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典型的皮疹を欠いたCowden病の1例
井上 卓日比 紀文林 篤高石 官均井上 詠上野 義隆細田 泰雄渡辺 守石井 裕正向井 万起男
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1995 年 37 巻 1 号 p. 65-71

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抄録
 症例は21歳男性.胃,十二指腸,大腸に多発性のポリープが認められ,組織学的には過形成性であった.食道に多数の扁平隆起がみられ,重層扁平上皮の増生を認めた.典型的皮疹を欠いたが,アデノイド顔貌,歯肉乳頭腫,甲状腺腺腫,動静脈奇形等の臨床像と合わせてCowden病と診断した.本疾患は諸臓器に三胚葉由来の過形成性あるいは過誤腫性変化を主体とした病変を伴い,消化管ポリポーシスの鑑別上注意すべきである.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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