日本消化器内視鏡学会雑誌
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悪性胆道狭窄に対するCovered Strecker-stentの臨床的評価
早雲 孝信中島 正継安田 健治朗趙 栄済向井 秀一芦原 亨平野 誠一望月 直美田中 聖人宇野 耕治東條 正英塚田 圭子上田 モオセ
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1995 年 37 巻 10 号 p. 2185-2192_1

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抄録

市販のStrecker-stentをシリコン膜によって被覆したcovered Strecker-stentを考案し,切除不能悪性胆道狭窄15例に対して内視鏡的に留置した.このcovered stentの有用性について,uncovered Strecker-stemを用いた7例およびplasticstentを用いた60例との比較により検討した.Uncovered Strecker-stentとplastic stentの閉塞率はそれぞれ57%と77%であり,閉塞までの期間は84日と93日,平均減黄維持期間は99日と102日であり,ほぼ同等の成績であった.Plastic stentの主たる閉塞の原因は胆泥や食残によるものであったが,uncovered Strecker-stentではメッシュの隙間からの腫瘍のingrowthが閉塞の主な原因であった.一方,covered Strecker-stentでは腫瘍のingrowthはほとんど見られず,ステントの閉塞率も40%に低下し,閉塞までの期間は228日に,減黄維持期間も272日と有意に延長していた.以上より,covere dstentは長期の減黄維持が可能であり,悪性胆道閉塞に対する有用なstentと思われた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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