日本消化器内視鏡学会雑誌
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膵・胆管合流異常を伴う先天性胆道拡張症に合併した早期胆管癌の1例
鎌田 晶義鈴木 左知子斉藤 博哉桜井 康雄山野 三紀高橋 邦幸澤口 裕二近藤 信夫真口 宏介
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1995 年 37 巻 10 号 p. 2247-2255_1

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抄録

症例は51歳,女性.全身倦怠感を主訴に受診し,閉塞性黄疸のため入院となった.ERCPにて膵・胆管合流異常および先天性胆道拡張症(Alonso-Lej I型)を認め,胆管拡張部に隆起性病変を認めた.経皮経肝胆道ドレナージに引き続き経皮経肝胆道鏡を施行し,拡張した胆管内にIp型で乳頭状の腫瘍を認めた.また病巣周囲には丈の低いIIa様隆起が連続して存在し,いずれも生検にて乳頭腺癌と診断された.超音波内視鏡検査では,最外層の高エコー層が保たれていた.各種の画像診断から早期胆管癌を疑い,膵頭十二指腸切除術を施行した,切除標本の病理組織検査ではわずかにfmへの浸潤を伴うm主体の乳頭腺癌であった.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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