抄録
4例において細径プローブによる経乳頭的胆管内超音波検査 (TPBS) に引き続いて経乳頭的胆嚢内超音波検査 (TPCCS) を行った.TPCCSにより, 胆嚢壁は内腔側から低高の2層, または高低高の3層に描出された. TPCCSの実用性の有無を調べるために12例の胆嚢新鮮手術標本を用い, 検体と細径プローブとの間の距離・角度の許容範囲を検討し以下の結論を得た. 1. 細径プローブにより切除標本の胆嚢壁は原則として内腔側より,低・高の2層または高低高の3層に描出された. 2. 胆嚢の層構造の描出には,細径プローブを胆嚢表面に対して2.5~5mmで20度以下に保持するのが望ましいが,10mm,40度までは許容範囲であった. 3. この距離・角度は臨床例でも可能な範囲にありTPCCSは胆嚢病変の診断に利用可能と考えられた.