日本消化器内視鏡学会雑誌
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経乳頭的胆嚢内超音波検査(TPCCS)の基礎的及び臨床的検討
―細径プローブ・検体間の距離・角度と超音波像―
野田 裕藤田 直孝小林 剛木村 克巳八子 章生長南 明道結城 豊彦松永 厚生安藤 正夫富永 現野村 美樹子石田 一彦井上 茂千葉 雅樹望月 福治
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1995 年 37 巻 8 号 p. 1608-1620

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抄録
 4例において細径プローブによる経乳頭的胆管内超音波検査 (TPBS) に引き続いて経乳頭的胆嚢内超音波検査 (TPCCS) を行った.TPCCSにより, 胆嚢壁は内腔側から低高の2層, または高低高の3層に描出された. TPCCSの実用性の有無を調べるために12例の胆嚢新鮮手術標本を用い, 検体と細径プローブとの間の距離・角度の許容範囲を検討し以下の結論を得た. 1. 細径プローブにより切除標本の胆嚢壁は原則として内腔側より,低・高の2層または高低高の3層に描出された. 2. 胆嚢の層構造の描出には,細径プローブを胆嚢表面に対して2.5~5mmで20度以下に保持するのが望ましいが,10mm,40度までは許容範囲であった. 3. この距離・角度は臨床例でも可能な範囲にありTPCCSは胆嚢病変の診断に利用可能と考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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