日本消化器内視鏡学会雑誌
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典型的なground glass appearanceを呈したcyanamideによる肝障害の1例
市場 誠西川 正博今井 康陽中務 光人黒川 正典米沢 毅
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1996 年 38 巻 2 号 p. 348-352_1

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抄録
症例は50歳,男性,大酒家.禁酒のため1990年6月よりcyanamide150mg/dayを約6カ月間,計27g服用した.cyanamide中止後も禁酒を続けていたがGOT,GPTの上昇を認めたため1992年6月腹腔鏡下肝生検を施行した.腹腔鏡では表面に小陥凹が散在し色調は黄白色調であった.肝生検では典型的なground glass appear-anceを呈し,cyanamideによる薬剤性肝障害と診断した.無治療にて経過観察し,1993年11月GOT,GPTが正常化し再度肝生検を行いground glass appearanceの著明な改善を認めた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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