抄録
顆粒細胞腫は,皮膚・舌などに好発するが,消化管における発生は少なく,特に大腸に発生することは稀である.われわれは盲腸,上行結腸に発生し内視鏡的に切除しえた多発顆粒細胞腫の一例を経験したので報告する.症例は45歳男性.時折みられる腹痛精査のため大腸内視鏡検査を施行し,盲腸に7×7mm I sp型,上行結腸に8×7mm Is型の表面平滑な粘膜下腫瘍がみられ,内視鏡的ポリペクトミーを施行した.組織学的には粘膜下層に限局する充実性の腫瘍で,完全切除されていた.腫瘍細胞は好酸性の顆粒を含む豊富な胞体を有し,その顆粒はPAS染色陽性でジアスターゼにて消化されず,免疫組織学的染色ではS-100蛋白,NSE陽性であり顆粒細胞腫と診断した.本邦での報告例は,自験例を含め19例であり,うち多発例は自験例を含め2例であった.