日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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消化器疾患における超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診の有用性の検討
山雄 健次中澤 三郎水谷 佐世子芳野 純治乾 和郎印牧 直人岩瀬 輝彦滝 徳人中村 雄太堀部 良宗今枝 義博三竹 正弘
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1996 年 38 巻 9 号 p. 2167-2173_1

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抄録

 コンベックス型超音波内視鏡を用いて膵および膵周囲の腫瘤性病変と上部消化管粘膜下腫瘍に対し超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診を27例に試みた.血管病変等を除き25例に穿刺を行い,その標本採取率は80%であった.また,標本採取が可能であった20例を対象とした穿刺吸引細胞診の悪性に対する診断能は感受度67%,特異度100%,陽性適中度100%,陰性適中度67%,正診率80%であり,手技に関連した合併症は1例も認めなかった.本検査法は超音波内視鏡検査で得られる消化管や消化管壁外の小病変に対する質的診断法として極めて安全かつ有用であり,今後さらに内視鏡機能の充実,穿刺針の改良などにより適応疾患の拡大と成績の向上が期待できる.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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