日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的に切除した径35mmの十二指腸乳頭部腺腫の1例
古川 剛大橋 計彦栗本 組子中村 常哉戸田 信正鈴木 隆史新田 康夫日比野 清富伊藤 彰浩内藤 靖夫南 洋二小林 世美
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1996 年 38 巻 9 号 p. 2201-2207

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抄録

 症例は50歳,男性.スクリーニングの十二指腸内視鏡検査で主乳頭に一致した大小不揃いの顆粒状隆起性病変が発見され,生検では高度異型を伴う腺腫と診断された.ERPで主膵管に,PTCで胆管に異常は認めなかった.EUSでは亜有茎性の高エコー腫瘍として描出され,十二指腸,膵および主膵管,胆管への進展は認めなかった.IDUSでも胆膵管への進展および膵実質浸潤を認めず,十二指腸主乳頭部腺腫と診断した.内視鏡的切除術を施行し,病理組織学的に,一部に高度異型を伴う腺腫と診断した.術後,貧血をきたしたが輸血にて対応可能であった.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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