1996 年 38 巻 9 号 p. 2209-2213_1
症例は47歳男性L主訴は血便.注腸X線検査で直腸Rbに隆起性病変を,大腸内視鏡検査では肛門輪より8cmに表面に浅い陥凹を有する扁平隆起を認め,IIa+IIc型早期癌を疑ったが生検所見は著明なリンパ球浸潤であった.経肛門的局所切除術を施行.病変の大きさは7×7×4mm,病理組織所見は粘膜下層に反応性リンパ濾胞を伴う小一中型異型リンパ球系細胞増殖であり諸々の検索により粘膜関連リンパ組織型低悪性度B細胞性リンパ腫(MALTリンパ腫)と診断された.