日本消化器内視鏡学会雑誌
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大腸内視鏡時の意識下鎮静法(Conscious sedation)の検討
佐々木 巌岡崎 幸一郎猪又 義光鈴木 博昭
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1997 年 39 巻 1 号 p. 33-41

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抄録
 大腸内視鏡時に患者に苦痛を与えず安全に検査,治療を行なう目的で48名の患者に意識下鎮静法(Con-scious sedation)とMonitoringを使用し,その重要性について検討した.前処置は通常どうりに行ない,内視鏡施行直前にフルニトラゼパム平均12μg/kgを静注した.モニターは自動血圧計とパルスオキシメーターを全例に使用し必要に応じて心電図も使用した.内視鏡施行中は患者の疼痛,全身状態に応じフルニトラゼパムを適宜追加した.終了時にベンゾジアゼピン拮抗薬であるフルマゼニル平均gig/kgを静注した.意識下鎮静法の前後での心拍数の変化は僅かであり,血圧は高血圧既往患者の7名を含めて全例意識下鎮静法後に低下傾向を示した。動脈血酸素飽和度は意識下鎮静法後約5%程度低下したが酸素吸入等の処置を必要とした症例はなかった.ペインスコアは有意に低値であったが,開腹術既往のある患者では比較的疼痛が強いことが分った.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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