抄録
病理診断の確定している膵管内乳頭腫瘍切除20例に対し膵管内超音波検査(IDUS)を行い,その有用性を検討した.IDUSによる本腫瘍の超音波所見は多房性嚢胞,壁肥厚,壁在結節,粘液エコー,mixed patternを示す腫瘤像であり,壁在結節は腺腫以上,mixed patternは浸潤癌の症例に認められた.病理組織学的検討から壁肥厚,壁在結節の有無とその高さを3mm以下,4mm以上で区分しIDUS像を4型,Type I (壁肥厚,壁在結節なし),Type II(3mm以下の壁肥厚,壁在結節),Type III (4mm以上の壁肥厚,壁在結節,あるいは嚢胞内に充満する腫瘤像),Type IV(mixedpatternを示す腫瘤像,あるいは膵管壁の断裂像)に分類した.その結果Type I,IIには癌の症例はなく,Type III,IVは癌のST100%,SP82%,AC89%であった.また,Type IVは実質浸潤の所見と考えられた.IDUSは良悪性の鑑別,治療方針の決定に有用な検査法であった.