抄録
o-ringを用いた内視鏡的静脈瘤結紮術(以下EVL)が有用であった十二指腸静脈瘤の2例を経験した.症例1は63歳男性のC型肝硬変Child B症例で吐下血にて入院.内視鏡検査でF2RC(廾)の食道静脈瘤と下十二指腸曲後壁にF3RC(-)の静脈瘤を認めた.出血源として食道が疑われ先ず前者に内視鏡的硬化療法(以下EIS)を行ない,次に後者に対しEVLを2回施行し(計5個のO-ring使用)静脈瘤は消失した.症例2は80歳男性のアルコール性肝硬変Child C症例で吐下血にて入院.内視鏡検査で十二指腸下行脚後壁に赤色栓を有するF3の静脈瘤を認め出血源と考えた.直ちにEISを試みるも静脈瘤造影がみられないため中止しEVLを施行した.計2回EVLを施行し(計3個のo-ring使用)静脈瘤は消失した.2症例ともに重篤な合併症は認めず短期問の観察ではあるが再発もみられず,EVLは十二指腸静脈瘤に対し有用な治療法の一つと考えられた.