内視鏡直視下胃生検時に検者と介助者がどのように汚染されるかについてデンプン・ゲルとガウンを用いて調査すると共に,鉗子チャンネル内の細菌による検者や介助者の汚染様式とその程度および汚染予防対策としてのプラスチックエプロンの使用の意義について検討した.デンプン・ゲルの検者のガウンへの付着は腹部右側に8/13(61%)とやや多くみられ,左側では6/13(46%)と少なかった.しかし興味あることに介助者のデンプン・ゲル付着は検者より高度で,腹部で80%以上,胸部で60%であった.鉗子チャンネル内の細菌のガウンへの付着は,調査した5人の検者では認められなかったが,介助者では右側腹部の培養で5人中1人に数種の細菌が証明され,感染の危険が示唆された.この危険性はプラスチック・エプロンやアームカバーによって回避できると考えられた.以上,内視鏡の診断・治療中の体液の飛散により検者,介助者は少なからず汚染されることが示唆された.また得られた知見は感染防止策を立てる上で重要であると考えられた.