日本消化器内視鏡学会雑誌
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門脈圧亢進症性腸症
―大腸粘膜血管病変の検討―
本山 展隆植木 淳一関 慶一中村 厚夫和栗 暢生橋立 英樹高木 健太郎畠山 重秋
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1998 年 40 巻 2 号 p. 160-168

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抄録
肝硬変症例49例の大腸血管像を対照群50例と比較検討した.肝硬変症例における特徴的な大腸内視鏡所見として,tree-like dilated vessels(Tree),coillike fine vessels(Coil),vascular ectasia-1ike lesions(VE),rectal varices(RV)を認め,これらの出現頻度はそれぞれ,87.8%,34.E%,44,9%,20.4%であり,対照群に比して有意に高かった.VEは,食道静脈瘤の有無および形態,門脈圧亢進症性胃症と有意な関連性を認めた.これらの結果に基づき,Treeを有し,かつCoil,VE,RVのいずれかを有するものを門脈圧亢進症性腸症と定義し,71例の慢性肝疾患症例を対象としてprospectiveに臨床的な検討を行った.71例中35例にこの腸症を認め,食道静脈瘤の有無および形態,門脈圧亢進症性胃症と有意な相関を認めた.われわれの定義したこの腸症は臨床的な門脈圧亢進の程度と相関し,この腸症を門脈圧亢進症性腸症と呼ぶことの妥当性が示された.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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