日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
胃静脈瘤治療後の再発の予測
-超音波内視鏡による評価-
佐藤 隆啓山崎 克豊田 成司狩野 吉康大村 卓味須賀 俊博
著者情報
キーワード: 胃静脈瘤, 超音波内視鏡
ジャーナル フリー

2000 年 42 巻 1 号 p. 8-13

詳細
抄録

静脈瘤治療後,内視鏡的超音波カラードプラ法(ECDUS)で評価し,6カ月以上経過観察できた胃静脈瘤39例を対象とした.治療の内訳はヒストアクリルを使用した硬化療法(EIS)34例,5% ethanolamine oleate(EO)を使用したEIS3例,バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO)2例である.ECDUSによ.る血流の評価は静脈瘤の治療終了後1から2週間の時点で行ない,血流信号検出の有無,波形分析と血流速度の計測を行った.胃静脈瘤治療後ECDUSで観察すると39例中25例(64.1%)に血流信号が検出された.拍動性血流が18例(Vmax15.3±5.1cm/s,Vmin4.6±1.6cm/s),定常性血流が7例(8.0±3.7cm/s)であった.静脈瘤の再発は血流信号が検出されなかった14例では0%であった.拍動性血流が検出された18例では1例(5.6%)に,定常性血流が検出された7例では6例(85.7%)に再発が認められた.ECDUSは胃静脈瘤治療後の効果判定や予後の推定に有用である.

著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top