抄録
症例は43歳男性.主訴は下腿浮腫.著明な低蛋白血症を認め,99mTcヒト楪識アルブミンシンチグラフィーで蛋白漏出性胃症と診断した.上部消化管内視鏡検査でDiffuse varioliform gastritis(以下DVG)の所見を認め,病理学的には非特異的な炎症細胞浸潤を伴う腺窩.上皮の過形成を示していた.DVGによる蛋白漏出性胃腸症と診断し約1カ月間H2受容体拮抗薬で加療行ったが内視鏡所見及び低蛋白血症の改善はなかった.胃粘膜の培養法でHelicobacter pylori(以下HP)が検出されたため,HP関連DVGとして除菌療法を行ったところ内視鏡所見,低蛋白血症とも著明に改善した.