日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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反復性にAGML様の内視鏡像を呈し急性増悪を繰り返した慢性胃炎の1例
―特にHelicobacter pyloriとの関連性について―
木村 聖路鈴木 和夫相沢 中遠藤 哲金沢 洋棟方 昭博田中 正則
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2000 年 42 巻 5 号 p. 987-992

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抄録
 症例は69歳女性.上腹部痛と胸やけがあり,平成7年12月の内視鏡検.査にてAGMLと診断された.H2-blockerの投与により一旦軽快したが,症状は増悪を繰り返し,平成8年10月と平成10年3月の2回にわたり,内視鏡上AGMLの再発が観察された.Helicobacter pyloriが検出されたため,平成10.年3月から合計3回除菌療法を行って平成11年5月に除菌成功と判定した.除菌療法開始後は症状も徐々に軽快,消失し,内視鏡上AGMLの再発は観察されなくなった.AGML様の内視鏡像を反復して繰り返し,H2-blockerが無効であったHelicobacter pylori陽性の慢性胃.炎症例に対し除菌療法が著効を示したので報告した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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