抄録
症例は69歳女性.上腹部痛と胸やけがあり,平成7年12月の内視鏡検.査にてAGMLと診断された.H2-blockerの投与により一旦軽快したが,症状は増悪を繰り返し,平成8年10月と平成10年3月の2回にわたり,内視鏡上AGMLの再発が観察された.Helicobacter pyloriが検出されたため,平成10.年3月から合計3回除菌療法を行って平成11年5月に除菌成功と判定した.除菌療法開始後は症状も徐々に軽快,消失し,内視鏡上AGMLの再発は観察されなくなった.AGML様の内視鏡像を反復して繰り返し,H2-blockerが無効であったHelicobacter pylori陽性の慢性胃.炎症例に対し除菌療法が著効を示したので報告した.