日本消化器内視鏡学会雑誌
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嚥下困難な患者に発症した難治性胃潰瘍に対し,オメプラゾール坐剤が有効であった1例
藤原 省三佐藤 博野口 琢矢長門 仁尾崎 任昭菊池 隆一野口 剛内田 雄三
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2002 年 44 巻 2 号 p. 146-150

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抄録

 症例は69歳,男性.脳梗塞後遺症のため胃瘻が造設されていた.出血性胃潰瘍のため緊急入院.H2受容体拮抗剤により一時は軽快したが,2カ月後,潰瘍は一再発した.その後3カ月間の治療にて潰瘍は瘢痕化しなかったため,オメプラゾール坐剤を調製し投与した.投与中の24時間胃内pHモニタリングでは酸分泌抑制効果はほぼ完全であり,潰瘍は速やかに瘢痕化した.嚥下困難な患者の難治性胃潰瘍に対し,オメプラゾール坐剤の投与は極めて有効な治療法であると考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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