日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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回腸末端壁を穿通し腹壁膿瘍を形成した消化管異物(爪楊枝)を大腸内視鏡下に摘出しえた1例
細田 明秀梅木 健介松永 典子片山 俊介大久保 美智子岡田 克夫堀 浩太郎三浦 直也浜本 哲郎八島 一夫村脇 義和川崎 寛中
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2002 年 44 巻 7 号 p. 1077-1082

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抄録
 60歳男性.右下腹部痛で発症後,発熱,右下腹部腫瘤が出現.超音波検査で腹壁内膿瘍を認め切開排膿をした後,その原因精査のため行った大腸内視鏡検査で回腸末端に穿通した爪楊枝を発見した.この異物はCTでも検出された.膿瘍が鎮静した後内視鏡下に爪楊枝を摘出したが,摘出後穿通部は閉鎖し膿瘍や炎症の再燃はなかった.原因不明の腹壁膿瘍例ではその原因の1つに消化管異物の穿通を考える必要がある.なお,本例では腹壁膿瘍の切開排膿と内視鏡下異物摘出が有用であった
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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