日本消化器内視鏡学会雑誌
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11年の間隔で腹腔鏡像を観察し得た原発性硬化性胆管炎の1例
佐藤 悦久山口 康晴川村 直弘森田 靖矢島 佐江子齋藤 光浩大和 太郎中島 洋石田 均高橋 信一
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2002 年 44 巻 7 号 p. 1095-1101

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抄録
 症例は初診時38歳男性.1987年頃から腹痛,発熱が反復し,1989年3月当科初診.1990年3月腹部超音波検査で肝内胆管の拡張を認め人院.肝胆道系酵素は正常だったが,内視鏡的逆行性胆管造影にて総胆管に広範囲の狭窄像と肝内胆管の不整な拡張像を認めた.腹腔鏡検査では肝表面は平滑で,肝左葉に白色瘢痕が散在し,肝生検像では小葉間胆管周囲に軽度の線維化を認めた.原発性硬化性胆管炎(PSC)の診断で,以後胆管炎,黄疸に対し数回入院し,内視鏡的治療を繰り返した.2001年2月50歳時第2回目の腹腔鏡検査を行った.溝状陥凹が出現し,進展が確認されたが,その変化は肝全体には及んでいなかった.肝内外型PSCに対し11年後の腹腔鏡像を比較しえた貴重な症例である.またPSCに対する腹腔鏡検査は微細な変化の観察や狙撃生検が可能であり,移植治療の適応を含めた予後予測にも非常に有用と考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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