抄録
症例は26歳男性.平成9年5月急性腹症にて手術(回腸末端より約30cm口側の小腸穿孔にて小腸部分切除,端々吻合術)施行.この時,クローン病と診断された.以後,外来通院中であつたが,平成11年12月より消化管通過障害を認めたため,小腸造影を施行した.ところ回腸に約1cmの狭窄を認めた.下部消化管内視鏡検査にて回盲弁より約20cm口側の回腸に狭窄部を確認しえたため,Microvasive社製Regiflex TTS®大腸用バルーンカテーテル(外径12mm,15mm)を使用し2度にわたり狭窄部の拡張術を施行,以後22カ11間消化管通過障害はみられていない.クローン病に伴う小腸狭窄の内視鏡的バルーン拡張術は本邦では報告が少なく,長期間の効果についても一定の見解は得られていない..しかし,腸管の保存という観点からも,再手術率の高いクローン病では,手術の前に試みる価値のある治療法と思われた.