日本消化器内視鏡学会雑誌
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S状結腸単純性潰瘍の1例
平山 一久土屋 泰夫五十嵐 章林 忠毅横井 佳博中村 利夫馬場 聡
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2003 年 45 巻 4 号 p. 862-867

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抄録
 症例は85歳の女性.嘔気を主訴に当院を受診し,人院後,熱発が持続した.人院8病日目に下daし,内視鏡検査でS状結腸に境界明瞭なpunched out ulcerとその口側に虚血性腸炎を認めた,食事制限・抗生物質投与で潰瘍は改善せず15病日目にS状結腸部分切除術を施行した.経過中べーチェ症状は無く,病理学的には非特異性炎症所見を示す筋層断裂を伴う.深い潰瘍で,臨床経過とあわせてS状結腸の単純性潰瘍と診断した. S状結腸発症の単純性潰瘍の報告例はまれであり,回盲部単純性潰瘍と比較すると,べーチェト病を合併せず,発症部位・年齢も異なる点より病因の違いが示唆される.単純性潰瘍には穿孔・穿通例が多く手術時期を逸しないことが重要である.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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