2004 年 46 巻 12 号 p. 2532-2536
症例は63歳,男性.意識障害にて当院を救急受診.慢性腎不全の急性増悪と診断され,緊急透析導入となった.透析中に少量のコーヒー残査様吐物を吐いたので,同日,緊急上部消化管内視鏡検査を施行した,食道上部から下部にかけて,暗赤色調の大小不同の多発性食道粘膜下血腫と全周性の白苔を認め,下部食道の食道粘膜下血腫の破綻と考えられる潰瘍から出血を認めたので,アルゴンプラズマ凝固法にて焼灼した,絶食,中心静脈栄養,プロトンポンプインヒビターにて加療,軽快した.腎不全急性増悪に対する透析導人時に認められた特発性食道粘膜下血腫はまれであるめで報告する.