日本消化器内視鏡学会雑誌
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除菌寮法にて治癒したと考えられる胃diffuse large B cell lymphomaの1例
西崎 朗埴岡 啓介安武 晃一広畑 成也奥谷 俊夫堀田 和亜前田 哲男仁木 敏晴長野 秀信花房 正雄田村 勇
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2004 年 46 巻 12 号 p. 2537-2542

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抄録

 67歳,男性.胆石精査時の胃内視鏡検査にて,胃角対側大彎に辺縁隆起を伴う陥凹性病変を認めた.同部の生検により悪性リンパ腫,非ポジキン病,B細胞型,彌慢性大細胞型と診断した.EUS,CT検査において浸潤は胃粘膜下層中層にとどまり,stage Iと考えられた.手術に先立つH.Pylori除菌療法にて病変は内視鏡的に消失し,また手術標本上にもリンパ腫は認められなかった.胃diffuse large B cell lymphomaであっても,胃粘膜浅層に留まる病変であれば,厳重経過観察を前提として除菌療法を第一選択する意義を示唆した症例である.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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