日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的膵管ドレナージ術
五十嵐 典良伊藤 謙三村 享彦鈴木 拓也岡野 直樹佐藤 大介三浦 富宏飯田 和成住野 泰清三木 一正
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2004 年 46 巻 12 号 p. 2582-2588

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抄録

 内視鏡的膵管ドレナージ術は,外瘻術である内視鏡的経鼻膵管ドレナージ術(Endoscopic nasopancreatic drainage: ENPD)と内瘻術である内視鏡的膵管ステント留置術(Endoscopic pancreatic stenting: EPS)に大別される.ENPDの適応は,短期間のドレナージで病態が改善する症例が適応である.EP主膵管狭窄を有する慢性膵炎例で,膵液のうっ滞で腹痛一や背部痛などの症状を有する症例にEPSは有効である.手技に際しては患者監視モニターを使用して血圧,脈拍,血中酸素飽和度などを監視する.十二指腸スコープを挿入して主乳頭を正面視してERCPカニュラを主膵管に挿管し,透視下にガイドワイヤーを留置し,ENPDチューブまたは膵管ステントを留置する.術前後に各種画像診断を行う.治療効果を判定し,治療の継続の有無を決定する.術後合併症に留意して,ENPDチューブの抜去またはステントの交換などで対処する.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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