抄録
症例は55歳男性,胃体下部大彎後壁寄りの0-I+IIa病変(直径25mm)に対し,高周波針状メスで大きめ(直径30mm)にマーキングした.通常のEMRLでは病変中央での分割切除となるため,大きな切除片を得,かつ病変粘膜再構築を確実にするために,斜型の大型ソフトキャップによる吸引粘膜切除術にクリッピングを併用した手技を用い,切除した.大型ソフトキャップによる粘膜切除術にて主病変を切除し,残った焼灼マーク部分の3切片はクリッピングを併用した粘膜切除術にて切除した.切除標本の病理組織学的検索では大きさ17×12mm,深達度sm1,追加切除の3切片に腫瘍細胞は認めなかった.本法は,粘膜再構築のみならず,スネア絞約時のすべりを防ぎ,病変粘膜吸引時の正確性を増す有用な手技である.