抄録
54歳女性.50歳時に胃癌stageIV に対し,胃全摘・横行結腸切除術を施行していた.術後約4年後に下血,腹部膨満感,便通異常が出現し入院となった.注腸造影検査と大腸内視鏡:検査で,直腸S状結腸に全長約17cmの全周性狭窄を認めた.生検で印環細胞癌を認めSchnitzler転移による狭窄と診断し,expandable metallic stentを留置した.留置後,死亡までの5カ月間軽度の腹部膨満感と少量の下血は持続したものの,便通異常は軽減した.全身状態の比較的安定した悪性直腸狭窄に対し,本法は手技も容易であり,狭窄症状の改善に有用であると思われた.