日本消化器内視鏡学会雑誌
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扁平隆起型十二指腸腺腫の1例
野上 達也小尾 龍右折原 正周柴原 直利嶋田 豊田中 三千雄
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2005 年 47 巻 5 号 p. 1101-1106

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抄録

 症例は48歳の女性.十二指腸下行部に約15mmの扁平隆起型十二指腸腺腫を認めた.病変には2種類の表面性状が混在し,白色領域と淡紅色領域に別れていた.それぞれ通常内視鏡観察,拡大内視鏡観察を施行した.白色領域には葉状の絨毛構造を,淡紅色領域には構状模様,網日状模様を認めた.組織学的には白色領域は管状絨毛腺腫で淡紅色領域は管状腺腫であった.両者に異型度の差異は認めなかった.絨毛の白色化の成因として吸収上皮内の脂肪滴の貯留が考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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