抄録
【背景・目的】小腸用カプセル内視鏡(PillCamTMSB,GivenImagingLtd号)の日本人における有用性を調べるため,多施設共同による医師主体の自主研究を行った.【方法】197件,185例を対象に,検査理由,通過時間,偶発症の有無を調べた.原因不明消化管出ifil135例の追跡調査を行い,確定診断を得た70例を抽出して,診断の内訳,それまでの医療行為等を調べ,有用性を検討した.【結果】検査理由のうち73%が原因不明消化管出fin.で,胃の平均通過時間は39分20秒,小腸は5時間4分44秒であった.滞留により内視鏡・外科的処置が行われたのは3例(1.62%)であった.確定診断された70例の内訳は,潰瘍・びらん34.3%,血管性病変25.7%,腫瘍性病変17-1%,クローン病10%の順であった.カプセル内視鏡の導入により,早期診断が可能であることから,入院t1_J軽減の可能性が示唆された.【結論】カプセル内視鏡は,安全かつ有用な検査法である.