2019 年 16 巻 2 号 p. 101-111
【目的】当科における直腸切断術(APR)後骨盤死腔炎発生の危険因子抽出を目的とした。【対象・方法】2005年1月から 2017年12月まで下部直腸癌に対してAPRを施行した61例で術後骨盤内感染発生の危険因子を検討した。【結果】骨盤死腔炎は26例(43%)で発生し,Clavien-Dindo分類 grade Ⅲa(以下,CD Ⅲa)以上の骨盤死腔炎は開腹手術で多い傾向があった。側方郭清非施行例では BMI高値群・開腹手術群・出血多量群で有意に骨盤死腔炎が多く,側方郭清施行では術前 CRT群で有意に多かった。CRT施行症例での検討では多変量解析で開腹手術のみが独立した骨盤死腔炎の危険因子として抽出された。60日を越えるドレーン長期留置を要したのは,いずれもCRT症例であった。【結語】術前 CRT後の腹会陰式直腸切断術で側方郭清を行う場合,開腹手術で行う場合は骨盤死腔炎の発生リスクが高いことが示唆された。