日本外科感染症学会雑誌
Online ISSN : 2434-0103
Print ISSN : 1349-5755
症例報告
治療抵抗性で有効な抗菌薬の選択に苦慮したSerratia marcescensの1例
藤沼 八月青笹 季文菊家 健太永生 高広今野 福巳小林 和貴與那嶺 直人恒成 崇純岩崎 寿光宮田 陽一小林 美奈子辻本 広紀長谷 和生上野 秀樹岸 庸二
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2020 年 17 巻 6 号 p. 527-530

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抄録

66歳女性。2年10ヵ月前に十二指腸癌および上行結腸癌に対し亜全胃温存膵頭十二指腸切除術(SSPPD)および結腸右半切除術を施行され無再発で経過していた。嘔気・嘔吐を主訴に入院,精査をしていたが,原因はわからず,対症療法で経過した。退院間近に造影CTを撮影した後,ショックを呈し,アナフィラキシーショックを疑い,治療を行ったが,ショック状態が遷延した。血液培養からはSerratia marcescensのみが検出され敗血症性ショックとして治療を行った。感受性に基づいた適切な抗菌薬治療にも奏効せず,原因微生物の同定に苦慮した1例を経験したので報告する。

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© 2020, 一般社団法人 日本外科感染症学会
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