日本外科感染症学会雑誌
Online ISSN : 2434-0103
Print ISSN : 1349-5755
総説
Patient–and Family–Centered Care
河合 佑亮西田 修
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2022 年 18 巻 3-4 号 p. 377-387

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抄録

集中治療領域における短期の生命予後改善の一方で,集中治療後症候群(Post intensive care syndrome:以下,PICS)や,ICU滞在中の療養環境の調整,医療者・患者・家族のかかわりなどに関する課題が浮き彫りになりつつある。「Patient–and Family–Centered Care」は,患者と家族の精神に関連した内容,ICUにおける療養環境や意思決定支援などに関する内容を扱う領域と位置づけ,6つのCQで構成されている。CQ20–1:患者と家族に対する,PICSおよびPICS–Fに関する情報提供の方法は?CQ20–2:敗血症患者あるいは集中治療患者に対してICU日記をつけるか?CQ20–3:集中治療中の身体拘束(抑制)を避けるべきか?CQ20–4:睡眠ケアとして換気補助または非薬物学的睡眠管理を行うか?CQ20–5:ICUにおける家族の面会制限を緩和するべきか?CQ20–6:患者の価値観・考え方等を尊重した意思決定支援の方法は?これらはエビデンスに乏しい領域であるが,今後の敗血症診療,集中治療の質を向上し得る非常に重要な領域である。

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© 2022, 一般社団法人 日本外科感染症学会
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