2022 年 19 巻 2-3 号 p. 364-367
近年,周術期における口腔ケアが術後感染対策に有効であることは周知され,多くの施設で口腔管理は導入された。しかしながら,経口気管挿管患者の口腔ケアは,各施設の背景によって口腔ケア方法はさまざまであるだけでなく,看護師の個々の手技においても格差があるのが現状である。当院ICUでは,経口気管挿管患者の口腔ケアシステムの標準化を目ざし,その過程で「洗浄法」での回収できなかった水分量を検証し「清拭法」での口腔ケアキットを導入した。その結果,ICUでの口腔ケアは標準化できた。経口気管挿管患者の口腔ケアの介入だけなく,口腔ケアシステムの構築においても,歯科医療従事者の介入や連携が重要である。