抄録
目的 : 風疹含有ワクチンの接種対象年齢の変遷に対して, 生年月日の違いによる妊婦の風疹抗体保有率の推移について明らかにする.
方法 : 対象は, 2008年1月から2012年12月までの5年間に, 当院産科で出産した妊婦1463例のうち, 出産の時点で年齢が20歳以上の初産婦で, 風疹HI抗体価が確認できた659例. 生年月日から, ⅰ) 中学生1回集団接種世代, ⅱ) 集団接種廃止後の経過措置世代, ⅲ) 幼児期1回接種世代, ⅳ) 幼児期+MR4期2回接種世代, の4群に分けて診療録より後方視的に検討した. 抗体価16倍以下を低抗体価とした.
結果 : 全症例のうち, 低抗体価の割合は20.2%であった. 各群の低抗体価の割合は, ⅰ) 20.4%, ⅱ) 18.2%, ⅲ) 30.6%, ⅳ) 31.6%であった.
結論 : 風疹抗体保有率は他の報告と同程度で, 経過措置世代の抗体保有率も低くはなかった. 幼児期1回接種世代以降の抗体保有率が低い可能性が示唆された.