日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
Print ISSN : 2185-2928
ISSN-L : 2185-2928
原著(研究)
仙骨部浅達性褥瘡に対するマクロゴール軟膏の治療経験:ワセリンと比較した後方視的検討
栗林 邦明竹内 弘江遠藤 栄一冨田 晋吾錦織 靖
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 41 巻 2 号 p. 60-64

詳細
抄録

目的:近年,基剤に注目した外用薬の選択が推奨され,マクロゴール(macrogol; MAC)が上皮化を促進すると注目されている.仙骨部のd2褥瘡(真皮までの損傷)に対するMACの効果を,ワセリン(vaseline; VAS)と比較して後方視的に検討した.

方法:当院の内科療養病棟へ入院中の患者に発生した仙骨部d2褥瘡25例を対象とした.13例にVAS(VAS群),12例にMAC(MAC群)が外用され,全例が非固着性吸収性ドレッシングで被覆されていた.MAC群から死亡退院症例1例を除外し,VAS群13例,MAC群11例で治癒までの日数を比較した.

結果:両群の患者背景に有意差を認めなかった.治癒までの日数はVAS群で16[12-32],MAC群で8[7-11.5]で,MAC群で有意に短かった(P=0.029).

結論:マクロゴールは仙骨部d2褥瘡の治癒を促進する可能性がある.

著者関連情報
© 2018 一般社団法人 日本プライマリ・ケア連合学会
前の記事 次の記事
feedback
Top