2019 年 42 巻 3 号 p. 141-149
目的:女性外来受診者の特性,心理障害および心身の自覚的訴えの程度を把握し,それらの関連を検討した.
方法:2012~15年に当院女性外来(内科)を受診した女性患者を対象とし(N=97),一般属性に加え,コーネル・メディカル・インデックス(CMI)と自己評価式抑うつ性尺度(SDS)を用い,それぞれ身体的・精神的自覚症とうつ傾向に関するデータを収集した.対象者の特性を記述し,自覚症とうつ傾向の関連,身体と精神の自覚症の関連を分析した.
結果:ロジスティック回帰分析を施行したところ,SDSによる「うつ傾向あり」に寄与するCMI質問カテゴリーは「疲労度」(オッズ比:7.66,p値:0.001)と「不安」(オッズ比:11.73,p値:0.006)などであった.
結論:女性外来受診者は身体的訴えに加え,心理障害を有する場合が多く,女性外来に携わる医師は患者への心理・精神的アプローチが欠かせない.